共通テスト政治・経済2022講評

共通テスト政治経済・分析 

 

問1 

国語的問題。 

落ち着いて与えられた資料からのみ読み取れる内容に合致する選択肢を選べば正解できる。 

 

問2 

地方自治について広く問われた。 

住民自治と団体自治の違いや、地方分権一括法や憲法に記載されている地方自治の知識があれば正解できる。 

 

問3 

センター試験や共通テストレベルではやや高度な時事的背景を知らないと正解出来ない出題。 

空知太訴訟に関しては参考書や、教科書によって記載の有無があるので国立志望は取りこぼしても仕方ないが、私大受験生はこの問よりも高度な時事問題が問われるので、確実に正解しておきたい。 

 

問4 

これから共通テスト政治経済に於いて典型となるであろう出題形式。 

知識では正解に辿り着けず、与えられた資料をしっかり読まないといけない。 

1と2で迷う場合はより会話の内容に近しい1を選ぶといった消去法のテクニックも問われているように見受けられた。 

 

問5 

やや難。 

農業分野の詳しい理解が問われた。 

近年のセンター試験や共通テストを見るに、出題の傾向として現代社会の諸課題に分類される分野からの出題が目立つ。 

国内の農業の大まかな流れに加えて政策や法律の内容も理解していないと正解できない。 

 

問6 

読み取り問題。 

複雑な読み取り問題が増えた中での純粋な読み取り問題だったのでこの問いは確実に正解したい。 

 

問7 

法律と消費者問題の複合問題。 

2022年からの成人年齢引き下げという時事的背景を考慮して契約に関して多く問われた。 

近年の出題を見るに、法律の私法刑法公法や条約等の理解に関して問われる可能性が高いので、資料集や実際の法律と絡めて正確な理解を勧める。 

 

問8 

従来のセンター試験のような知識問題。 

問われている知識としてはやや難レベルではあるが、残り3つの正解の知識は平易なものだったので正解しておきたい。 

 

問9 

時事問題。 

用語の説明問題は暗記すれば得点源になるので絶対に点数を取っておきたい。 

この問のように曖昧な選択肢と時事的な選択肢が2択で残った場合、時事的な選択肢に賭けてみると正解出来るかもしれない。 

 

問10 

複雑な読み取り問題。やや難。 

時間がかかる上に、言い換え等の表現を見抜かなければいけない国語要素の強い問題だった。 

 

問11 

用語の理解と読み取りの複合問題。 

問われている内容自体は簡単なので落ち着いて冷静に選択肢を処理したい。 

 

問12 

やや易。 

経済の仕組みと用語の理解が出来ていれば正解出来る。 

センター試験に近い出題だった。 

 

問13 

前年度第一日程に引き続きバランスシートの読み取り問題が出題された。 

このように過去問と同じような設問が出題されることがあるので、一度解いた問題は解説出来るようになるまで解き直しすることを勧める。 

問題の難易度はやや難。 

 

問14 

やや易。 

労働問題について問われた。 

やはり現代社会の諸課題分野に関してはこれからも共通テストでは頻出になると予想されるので、徹底的な理解を勧める。 

 

問15 

市場メカニズムについて問われた。 

消去法を使い、より良い選択肢を選べば正解出来る。 

 

問16 

購買力平価についての読み取り問題。 

与えられた問題文を読み飛ばしてしまうと、点数を落としてしまう可能性がある。 

共通テストでは何かしらの目的があって資料や問題文が付いているので、しっかり目を通しておきたい。 

 

問17 

難。 

ストックとフローについて問われた。 

図がややこしく、アとイは理解できてもオを選べるかというような問題だった。 

言葉の意味から推測して解かせたいのか、授業で図のように教える事を想定しているのか、よく分からない設問だった。 

 

問18 

知識と読み取りの複合問題。やや難。 

労働分野についての理解と、やや高度な読み取りが求められた。 

こういった設問は後に残して、先に知識で正解できる設問を処理してから、ゆっくり解くというやり方が共通テストでは凡ミスを防ぐためにも良いかもしれない。 

 

問19 

知識問題。 

しかし、与えられた資料が長く正解を出すのに時間がかかる。 

インフレ時の物価と貨幣価値のやや深い理解が求められた。 

このような設問の場合、頭の中で考えるのではなく、インフレ時とデフレ時の値段等を空いているスペースに書くと落ち着いて正解出来るだろう。 

 

問20 

やや難。 

予算に関しての理解が求められた。 

この設問のように少し常識的な観点で選択肢を切ることも求められている。 

暫定予算と補正予算の違い、よりも会計について問われることが多いのでそちらの復習も併せて行う事も勧める。 

 

問21 

読み取り問題。やや難。 

計算出来れば正解は可能だが、時間が足りない受験生にとっては捨て問であるだろう。 

こういった複雑な読み取り問題を正解するためにもスピードを意識した問題演習を勧める。 

 

問22 

知識問題。 

UNHCRでは国内避難民も難民扱いしている点と、1990年から10年間緒方貞子氏が日本人初の国連難民高等弁務官アフガニスタン支援政府特別代表を歴任したこともチェックしておきたい。 

 

問23 

知識と読み取りの問題。難。 

試験中に冷静に処理できたかどうかが正解のカギである。 

試験会場の緊張に飲まれると処理できないであろう問題。 

過去問を解く時から本番を想定した緊張感をもって取り組むことを勧める。 

 

問24 

時事的な知識問題。易。 

ちりばめられたヒントを基に確実に正解したい。 

 

問25 

知識問題。やや難。 

文章中から読み取れる時代背景を基に大まかな順序を把握したい。 

 

問26 

知識問題。 

地方自治について問われた。 

共通テストでは地方自治の分野も頻出となると予想されるので、重点的な学習を進める。 

 

問27 

読み取り問題。 

この問題のように、与えられた会話文を読めば比較的簡単に正解を導くことが出来る問題があるので、しっかりと読んで欲しい。 

 

問28 

読み取り問題。 

比較的簡単な読み取り問題だった。 

 

問29 

難。 

問われている事は高度ではないが、確実な暗記と読み取り能力が問われた。 

地方自治の財源はよく出るので、これを機会に大まかな割合を覚えるという荒業もありではないかと思う。 

 

問30 

読み取り問題。 

常識的な観点からも正解可能。 

こういった常識的に解ける問題でのミスは知識不足のミスよりもダメージが大きいので、とにかく冷静に落ち着いて見直しをしっかりする時間を残せるくらいのスピードを問題演習で身に付けて欲しい。 

 

全体講評 

知識問題が減り、読み取り問題が増えた。 

問題演習にセンター試験の過去問は向いていないように感じられた。 

知識の確認でセンター試験を使い、傾向に慣れるには模試の過去問や各予備校の出している予想問題集を使うのが適切。 

そして、これからの共通テストでは資料や図とリンクさせての理解を伴った暗記という能力が求められると予想する。 

よって資料集や分からない分野は検索をかけて教科書を超えた範囲にも視野を広げることで、特殊な設問に対する対応力が身に付くと思われる。 

全体の難易度としてはやや難。 

前年に比べるとやや易。